アメリカの沖縄2009/06/09 21:19

「アメリカのパイを買って帰ろう 沖縄58号線の向こうへ」
駒沢敏器 著
日本経済新聞出版社 刊

を読んだ。
かなり面白かったです。
この本は、インターネット文芸誌というWeb上で発表され、連載されていたものに(今でも閲覧可能)、今回大幅な加筆・修正を施されて出版されたものだ。
まず、その着眼点が秀逸である。
「アメリカ世」を主題に、あまり取り上げられてこなかったような事柄が列挙されている。
Jimmyのアップルパイ、アメリカグチ、嘉手納のCoCo壱、コンクリート住宅、ポーク缶、コザの京都ホテル、教会、外人住宅、KSBKラジオ、といった具合。
どの項目も緻密なリポートをもとに構成されており、ある意味かなりマニアックと言える掘り下げ方である。
CoCo壱番屋の北谷国体道路店が嘉手納軍人で大盛況。アメリカ統治時代における沖縄の教会、その歪な構造。KSBKラジオをめぐるエピソードなど。
そこには、「アメリカの沖縄」が戦後から確実に存在していた証明なのだ。
沖縄が「アメリカ世」から「大和世」になって、ほぼ40年。
今ではだいぶ本土化してしまった感があるが、まだまだ「アメリカの沖縄」が残されているということ。
ならば、探しに行こうか。

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