あまくま blog

「焼き餃子と名画座　わたしの東京味歩き」
アスペクト　刊
平松洋子　著

を読んだ。
東京の街中を、おいしいお店・おいしいものを求めて歩き回り、そのお店での一連の情景を思い入れたっぷりに綴ったエッセー。
お店に向かう段階から、入店して食事を終えるまで、気持ちの変化・まわりの風景といった描写に、筆者の繊細さが際立っている。
紹介されているお店の中には、自分も食事をしたことのあるお店が 何件かあったが、何気なく思っていたお店の印象でも、筆者の手にかかれば、まるで違った印象になっているところが不思議だ。
もういっぺん訪れてみたくなることはもちろん、初めてのお店ならなおさら訪れてみたくなる。
読者を食の迷宮へと誘う見事な一冊。