にっかつロマン2006/03/19 21:36

「愛の寓話 interview with a Romance film Creators vol.1
日活ロマン“撮影所システム”最後の光芒」

東京学参 発行

を読んだ。
にっかつロマンポルノに携わった監督や女優、関係者のインタビューを中心に作品紹介等を纏めたもので、2007年までに全5巻のシリーズとして刊行されるその第1巻目なのである。
昨年から続々発売されているDVDとの連動企画の様な本で、各監督が考える作品理論や撮影の裏話等が語られたインタビュー部分が結構おもしろかった。しかし作品解説の部分は、DVDのジャケ裏に書いてあるライナーノーツみたいな感じなので、もっとつっこんで解説してほしかったかな。(編集があまい?ってきびしいですか?)
執筆者の殆どが女性ということもあってか、全体的にソフトな内容になっているが、ビジュアルの多さで楽しませてくれている。(ちなみに私の妻が数ページ執筆している)
この本で紹介されている30作品のうち、鑑賞済みは4作品しかなかった。
「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」「暗室」「桃尻娘」「○秘女郎責め地獄」である。
その中で、田中登監督 田中陽造脚本の「○秘女郎責め地獄」は傑作だと思う。監督の演出のすばらしさ、撮影・美術・照明の美しさには息をのむほどだ。とくに人形浄瑠璃のシーン等は画面に引き込まれそうになるほどすばらしい。本文の監督インタビューには、この作品について重要なシーンでの監督の意図が語られていて、読み応えがあった。未見の方は是非みて欲しい作品だ。