あまくま blog

「沖縄　だれにも書かれたくなかった戦後史 」
佐野 眞一　著
集英社　刊

を読んだ。
表題の通り、この分厚い本の中には、沖縄の「書かれたくなかった」話題が、著者の６年間のルポを通して、表から裏まで多岐にわたって綴られている。
沖縄ヤクザの変遷、沖縄四天王、密貿易、奄美差別、軍用地主等々。
政治・経済・社会、おまけに文化・芸能まで、興味深いテーマが綿密な取材によって纏められているのだ。
ここには、反戦や沖縄楽園幻想などは一切語られていない。戦後史の中で、沖縄が被害者であるという同情意識はまったく排除されているのである。
沖縄病患者なら、なおさら知っていなければならないことばかりだと思う。
沖縄関係のノンフィクションとしては、傑作の一冊。