風に聞いた話2008/06/03 20:15

「風に聞いた話 ~竜宮の記憶~」
三枝克之 著
垂見健吾 写真
角川書店 刊

を読んだ。
沖縄で、四季を通じて言い表される「風」の言葉をモチーフに、琉球に伝わる神話・伝説を独自の語り口で綴った一冊。
旧暦10月の「種子取南風(タントゥイベー)」から始まって、「新北風(ミーニシ)」が吹くまでの1年間、実に様々な言葉で表現される沖縄の四季。1年中暑いと思われがちな南国沖縄にも、ちゃんと季節が存在するのだ。
ここで語られる神話・伝説は、肩肘張った表現ではなく、ちょっとした「おとぎ話」のような文章で、とても読みやすい。
また、文章とともに掲載されている垂見氏の写真がすばらしく、この本にいっそうの深みを与えている。
各章毎に補足された「琉球辞典」も、わかりやすく丁寧だ。
決して流行の沖縄本の類ではないので、沖縄好きでない人にもお薦めの一冊。